わたしたちは、日本一おいしい焼酎造りを目指しています。
伝統の手造り麹(こうじ)をはじめ、木桶でのもろみ発酵、木樽蒸溜、洞窟貯蔵といったこだわりの製法により焼酎を生み出すことで、これまでの焼酎のイメージを覆す、感動のひとしずくを皆様にお届けしてまいります。
(1)手造り麹
ここは、焼酎の土台となる大切な米麹を、大切に育む場所です。蒸した米に麹菌をふりかけ、固まった米を蔵人の手でほぐしながら、米にまんべんなく麹菌が生育するようにします。
室内の壁は、全面杉板張りで、 1 年を通して、温度 30 度前後、湿度約 70 %の環境を作ります。この高温多湿こそ、麹菌が活発に繁殖する環境です。
もちろん外からの雑菌を持ち込まないよう細心の注意が必要で、加えて麹の温度や室温に対しても蔵人の感覚で、きびしく管理する必要があります。
大変難しい技術ですが、五感を研ぎ澄まし、赤ちゃんを育てるように見守りながら、米麹に手間と愛情をかけて、じっくりと育てていきます。
使う室蓋(モロブタ)は、220枚。温度を確認し、手を入れながら、丸二日間かけて手造り麹が完成します。
手造り米麹を造る時は、蔵人総出で作業します。
このようにして造られた焼酎だけに、「手造り」の表記が許されます。
(2) 木桶仕込み
もろみ発酵用の木桶。(直径164cm×高さ223cmあります)
木桶は大きく、どっしりと腰を据えています。
焼酎製造において、主原料を発酵させる“もろみ”を入れる容器には、一般的にホーロータンクや甕(かめ)が使われますが、私たちは、大型の「木桶」を使い、“木桶仕込み”の焼酎を造ります。
木桶は、保温や断熱性が高いため、もろみの最終発酵過程で、外気温の影響を受けにくく、穏やかに発酵が進むため、発酵ムラがなく、酒質への好影響が期待できます。
木桶の厚さは、7cm。外から触れてもモロミの温度を感じません。穏やかな発酵には、保温や断熱性に優れた木桶は◎
仕込みが終わった木桶は、木の中に、入り込んだモロミを吐き出させるため、メンテナンスに丸3日~4日かかります。連続仕込みは、できないため、生産量は限られます。
乾燥すると壊れてしまうので、オフシーズン中も、定期的に水を入れ替え、長く使えるよう、気をつけています。
(3) 木樽(きたる)蒸溜
焼酎づくりの最終段階である蒸溜を、木樽(きたる)で行います。
一般的に、ステンレス製の蒸溜機が多いのです。当蔵では、ステンレス製蒸溜機と、貴重な木樽蒸溜機の2つがあります。
自然の木でできた木樽の蒸溜機を使うため、 低圧でゆっくり蒸溜します。木樽の隙間からガスが少しずつ抜けていくため、 やわらかで、まろやか、ほのかに木の香を感じる原酒を取り出せます。
(4)貯蔵洞窟「落羽松」(らくうしょう)
蔵の裏手にある、貯蔵洞窟「落羽松」。
光が入らず、1年を通して、一定の温度を保つ、洞窟です。
真夏の暑い日でも、一歩入ればヒヤッとする、安定した温度を保っています。
豊かな自然に囲まれています。
祁答院のいむた池には、「落羽松(らくうしょう)」があります。
「松」と書きますが、スギ科の落葉高木です。湿地では、根回りの地上に呼吸根を出し、呼吸をしています。
水の中からすーっと立ち上がる落羽松の姿は、とても美しく、特に、朝や夕方は幻想的な雰囲気をかもしだします。
今回、わたしたちの貯蔵洞窟の名前にしました。